構いませんよ、南方さん。
件の魔術所については、私も馬鹿な事とは自嘲しつつ申し上げたのです。
[南方さん…そう、この方も先生の遠い類縁だと伺った気がします。他の先生のお孫さん達ほど近しくはなく、先生との関わりや遺産のあても薄く、しかし幼少の頃に館を訪れているのだとしたら…この方も、犯人の候補ではあるでしょう。真っ当に考えれば、あるいは一番怪しいのかもしれません。
しかし、無論この事件が真っ当であるはずはないのです。どう見ても]
精神医学がご専門の先生には、後催眠による精神操作の秘儀について記された部分が殊の外気になったようでした。
自分は直接手を汚さず、自らの意思とは無関係に他人に犯行を行わせる方法が書かれている…と申し上げれば、「Pnakotic Manuscripts」の恐ろしさはお分かりになるでしょう。
何処にあるのか…けれど、それよりも凶器です。凶器がはっきりすれば、きっと真相はおのずと…
[そう、私はほとんど真実(と思われるもの)にたどり着こうとしている予感はあったのです……]
(130) 2017/12/18(Mon) 21時半頃