──閑話・最初の来訪──[少なくともイナリへの最初の来訪の際。 その目に熱は孕む事無く静かで。 足音も殆どなく歩み寄る。 ふと、伏せた眼差しはすぐに眠たげで。 布団に潜り込み、すぐ傍で丸まり、眠ってしまったろう。 その距離が、イナリとの距離とも言える。 静寂の中では、くぅ、という小さな鳴き声にも似た声がイナリに聞こえた筈だ。]
(129) 2022/08/07(Sun) 22時頃