[そうだ、ここは居心地が良い。ずいぶんと自分たちに甘い場所だと、瑛美も言っていた。>>32]
僕は、その。帰らなくても良いんじゃないかって、どこかで思ってたんですよ。無理して関西弁で喋る、みたいな、そういう毎日に。
[すっかりと、ただの敬語で喋っていた千秋の呟きは、瑛美の言葉>>125 とほとんど同時だった。
どこか、冗談めかしたように。でも、間違いなく本音の響きが含まれていた。けれど、楽しい話がしたいと瑛美が言ったから、そこに触れることはできなくて。]
じゃあ、美味しいカレーにします。食べてるだけで、楽しくなるような。
[千秋は、自分の料理の腕がそこまで良いとは思っていない。本当に、一人暮らしの男子高校生、以上のものではない。だから、これもきっと『嘘』に分類されるのだろう。けれど、なぜだか、行動を縛る鎖が増えたとは、思わなかった。]
そう……それこそ、このカレーが食べられるなら、ここから帰りたくない、って思っちゃうようなのを。
(127) 2015/02/08(Sun) 22時半頃