[囁かれた言葉に、耳が赤く染まる。ぺしりとはたきたいが、やめておくことにして。くっそと呟いて、それでも手は繋いで山道を下る。
本当に、良い天気だ]
…………山歩き、合宿っぽいっちゃ、ぽいんだけどな。
行くか。
[それからの日々は、予想していたものよりも数段酷かっただろう。
珍しく自宅に父親が毎日居た事が、とても印象的だった、なんて思考はどうでも良い方向に逃げてしまう]
[クラスの三人は、少し浮いてしまうだろうか。
もともと凄くしっくり着ているかというと実はそうでもなかったけれど、何と返せば良いのかわからなくて。
それなりに起きていた授業で寝ていても、雷が落ちなくなったり。
教師ももてあましているかもしれないが、保健室で寝るのも違う気がして。
……そこに、文先生が居たら。余計な事を言いそうで。
屋上でタバコを吸う機会も減った、同じように鳴瀬先生と二人っきりにはあまりなりたくなかったし、浜先輩の姿を探してしまうのをやめられなかったから。
なにより、ライターを織部が持っていたという話を聞いて。もう吸うのは止めようかとさえ思っていた]
(126) meiji 2011/05/26(Thu) 23時頃