[教会関係者を追い出した後、零れ落ちるのはこんな嘆息。
横に控えていたハワードが、心中お察しいたします、と真顔で労ってくれた。
どうやら、30年前にも同じような事があったらしい。教会とのあれこれが終わった後の問題は、領主の継承についてだったが、これに関してはハワードが預かっていた父の遺言状と、友の後ろ盾でどうにか事なきを得た。
そうして領主に就任しての、最初の仕事は――花祭りの取り仕切り。
今回の騒動で命を落とした者も含めての慰霊の祭りは、例年よりも盛大に行われる事となり。
雪解けの後、村の中は色鮮やかな花飾りで飾り立てられた]
……どうか、安らかに。
と、願う事は許してくださいね。
どの口が、と言われても、一切反論はできませんが。
[冥福を祈る儀式の後、広場の献花台に花束を手向けながら紡ぐのはこんな言葉。
道が繋がった後、犠牲者の亡骸は教会の墓地へと葬られた。
妹と父は屋敷の敷地内の墓所に眠っている。こちらへの墓参を希望する者は分け隔てなく受け入れるように、との通達は、全ての使用人に出されていた]
(126) tasuku 2025/02/27(Thu) 00時頃