― 娯楽室 ―
[娯楽室に着くと隅へと座り、カイルとトレイル先輩がゲームで話しをしているのを遠目で眺めていた>>116。
ぴんと跳ねた寝癖を指で弄びつつ自分で言った言葉を繰り返す。
そん時は返り打ちにしますよ、か。実際にそんな場面になったら自分は止めるのだろうけど。
子供じみていると笑われても良い。唇と唇とで交わすそれは取っておきたい。
それにしても不味い事をした。何だかオスカーに悪い気がするし、カイルに冗談でもちゅーすんなよと言った手前である。口が渇かぬ内にシメオンが明之進にしてしまった。
ああいう事は冗談でもカイルとはしたくないなと思う。さっきだって明之進先輩がカイルの頬にキスしようとしているのを直前ではなく事前に分かっていたならば自分は割って入って止めていたのではないだろうか。何故そう思うのかと理由を考えれば複雑な心境だった。
自分と正反対だと言っても良い、素直で可愛らしい後輩を汚したくないと思ってしまったのか。
自分らしくもない。けれどもカイルには何処かの捻くれ者と違ってそのまま真っすぐに生きて欲しいと思ってしまった。*]
(126) 2014/01/25(Sat) 02時半頃