[ 相手を待つ間、ふと、城の方を見る。
小綺麗になった赤煉瓦の城は、昨日までとは違った建物にすら思える。呪いが解けたのかもしれない……が、立ち去る自分には関係はない。
そう言えば、あの紳士と老婆はどうなっただろうか。あの職人の手の怪我は無事だろうか。あの書店は出店を出したのだろうか。ステージはどうだったのか。……普段なら気にしないことも、考えだすと気になってくる。 ]
……頼まれ事ってのは、城のことだったのかもな。
[ ぽつりと独りごちる。そうであれば、あの騒ぎにも説明はつく。
>>123 顔を出した少女に、どう別れを告げようかわずかに躊躇う。 その表情が、寂しげに沈んでいるようにも見えたから。 ]
あァ、ぐっすり寝たよ。こちらこそ世話になった。
……また来年も、きっと働きに来るぜ。
その時はクッキーでもパンでも買ってやるよ。
[ もし、またこの町に来るのなら、その時は知ることになるだろう。
呪いについても、紳士の隠し事についても、老婆の思惑についても……その時の楽しみに取っておく。
目の前の少女の笑顔と、この店の食事に舌鼓を打つのだけが目的……となると、さすがに気はずかしい。 *]
(125) palemoon 2018/08/16(Thu) 22時頃