ここの食事は美味しいですね。始めて頂いた時に、驚きました。
[また、平然とした顔で受け答える。彼女の前の椅子を引き、腰を下ろした。
自分の手元にも、ティーカップを1つ。]
あの人…ジャニス様と話になりますか?煙に巻かれるばかり。
[眉をひそめる。昨日の会話を思いだす。偉そうに説法を垂れる姿は、全くもって素敵じゃない。]
……お父様を、大切になさっているんですね。仲が良かったの。平和な家族?
きっと、今も傍にいらっしゃる。全部、見られてる。
[彼女の手の中で、橙色の球体がするすると剥かれていく。]
どうだろう。飛べるのかな。僕には必要なかったんだ。そんなもの。
そんなものがなくたって、飛べるでしょう。そうでしょ。そんなものに頼らなくたって。
[器用に動く腕。細い腕。チラチラと動く様子が目に痛い。
お母さん、りんごを剥いてよ。]
(125) 2013/12/09(Mon) 00時半頃