[こうして相席になったのは何度目のことか。
外で茶を、というよりは彼の自宅にてお邪魔させていただいた方が記憶に深く残っていただけに、何と無く新鮮な気分にいつもさせるのだ。
それもお決まりの台詞>>114を彼が紡げば男もお手上げだと片手を泳がせて]
慣れたくないよ。僕にはこれでいい。
[いつもと同じ言葉を彼に向けた。
彼が何かを言いかける。男も忘れ物について口を開く。そんな矢先に待ってしまう赤い布>>23
男の顔が強張る。それも諦めたようにすぐに笑みを向ける。今更なんだというのか。
隠しもせずに歩いていたのは自分なのだから。自ら捨てたのは他でもない僕なのだから。
待ち受ける者は何なのだろうか。
邪魔だとばかりに脱ぎ捨てたそれ。初めて見せた人間には驚かれ、二人目にはこうして隠された。
だから、三人目はどうなのだろうと視線を向けた先、獣耳を覆う布を再び取り付けられてしまった。]
(122) 2014/10/10(Fri) 00時半頃