[説得力に欠けた問答に仁科の溜め息>>108が聞こえても気を悪くすることはなく。体調でも悪いのか、と的外れな感想を抱く。]
ふ、痛い所を突くではないか。俺も無理はしておらん。
そんなことをしていたら繊細な俺の神経が持たんからな!
[そう言い放ち、眼鏡の右目の脇のつるを右手で押し上げた。
仁科から猫と最初に呼ばれた時は獅子かミケと呼べ、と即座に訂正を入れたが、良いように言いくるめられてしまって以来呼称は気にしないことにした。
唯一持ち歩いている筆箱を鞄から取り出し、ついでに中身も確認していると声が聞こえてきた。]
ん、何か言ったか?
[仁科も、口にするつもりはなかったのだろう。鞄から顔を上げればハッとした表情になり、なんでもないと誤魔化そうとしていた。だがそれを真に受けるような性格ではない。]
ああ、これを見たのか!くく、まだお目見えには早い。
放課後、天体観測の時にでも見せてやろ……そういえば、藍は参加するのだったか?迷うくらいなら参加してしまえ。
[椅子に座ったまま後ろを向き、仁科の机に両肘を突く。参加の旨を聞くまでは前を向かず、焦れた末に教科書を閉じようと手を伸ばしたかもしれない。]
(122) 2014/10/01(Wed) 17時頃