―― ――[底の紅く濡れた夜>>99。“死んでいるも同然の”男が立ち上がる>>100のに手を貸すわけでもなく、ジェレミは傍らにあった。] 詩的な表現だ。 けど、たとえ同然でも、 本当に死んでいるわけじゃない。 死んでいる男なんて、俺は好きになれないから。[逆説的な証明を告げ。クシャミの口元を汚した鮮血の熱はとうに肉体のうちになくとも、ジェレミは少しばかり細めた目をして「本当に死んでしまったら、俺はきっと、悲しいよ」と付け加えた。人間の生から遠く離れてなお、死んではいない吸血鬼の立場として。]
(121) 2018/11/03(Sat) 14時頃