― 一之瀬家の自室 ―
[ 気がつくと、自室のベッドに横たわっていた。
ほんの少しうたた寝していただけなのに、身体がだるい。 ]
(……あ、俺の部屋…)
[ 薄目を開けて天井を見ると、和室にそぐわない見慣れたペンダントライトがぶら下がっていた。
ゲーセンから夢見るような足取りでふらふらと帰ってきて、そのまま眠ってしまっていたようだ ]
(……、帰ってきたんだなぁ……
……みんなは無事に帰れたんだろか……)
[ 毛布にくるまったままでぼんやりロクヨンのことを考えていると、階下から叔母の声がした。夕飯らしい。
食卓に着いてみると、いつもの夕飯。叔母さんはあまり料理のレパートリー広くない。
油揚げと豆腐の味噌汁、暁の好きな太刀魚の天ぷら、大根おろしにきんぴら。白いご飯。
それらの見慣れたご飯がとてもありがたいものに思えて、手を合わせて心から「いただきます。」と言った ]
(120) yuzuru 2011/02/28(Mon) 00時頃