[櫻に雫が一つぽつりと落ちる。たった一滴だけ月を伝って。何かを伝えた声は僅かに揺らめき、掠れ。凛とした空気を纏う月花はそこには無い。手折られたわけでも無く、変わらず花籠に収まっているのにも関わらず。月光を浴びれぬせいなのか、俯いたまま。執着しすぎたのだ、望み過ぎたのだ。] ――…… 、[しあわせを、ゆめを、抱きすぎたのだ。]
(120) 2014/09/21(Sun) 01時頃