……イアンさんをこのままにしておけない。
[影に命じて自分の血に染まってしまったシーツを取り替えさせて、その上に寝かせる。同じく吐いたときに汚れてしまった服をどうしようかと思案しているところにベットの脇においてある服に気がつく。]
……。
[服の代えは持ってきていない。あまり窮屈なら着られないと思ったが、そうでもないらしい。白いシャツと、黒いベスト。スラックスと、それからリボンタイ。]
……ちょっと黒の従者さんの格好に似てる、かな。動きにくいよりはいいけど……
[どうやら自分は鏡には映るらしい。……似合わない、とぼやいて――首の火傷の痕に気がつく]
……従者さんたちの首輪みたい。
[先ほど自分で自分を咬んだときの傷跡はすっかり消えている。この分では消えないか、消えてもかなりの時間がかかるのだろう。手荷物の底の方から包帯を引っ張り出してきて首に巻く。]
(119) 2010/06/25(Fri) 03時半頃