……刃物とか、尖ったものを、……振り回しちゃ駄目なんだ、よー……。
[平坦な声で未だに少年の死神が成長した姿だと勘違いしながら赤髪の死神さんを咎める。
きっと身体の成長が早すぎるから心が間に合っていないんだ、なんて勝手に思い込んだまま。
脳の容量を余裕で超える兄のたくさんの言葉をゆっくり、ゆっくりと聞き取って。]
――……、
…………じゃあ、これは、……せいとーぼうえー?
[緩い態度で質問すれば、うんうんと頷き。]
せいとーぼうえー、なら……仕方ない、よ。
でも……ころしちゃ、だめ……な、気がする。
[ママに言われたわけじゃないけど、なんて言いながら呟く。
『喧嘩しちゃいけません』『人を傷つけちゃいけません』そんな言い付けとは別で、何故か強くそう思ってしまうのだが、その理由までは分からず。
自分でもどうして“人を殺す”ことに関してこんなに過敏なのかと小さくうなり声を漏らして考えながら。]
(119) 2015/03/13(Fri) 19時頃