サカマキくん鋭い送球。鉄壁の守備でピンチ気切り抜けました……。
[言ったあとで、ふふっと笑う。
放った……振りをしたボールは、手の中に残されたまま。
投げたりなんて、していない。練習の時とは違うんだ。
ここには今、受け取ってくれる人も、投げ返してくれる人も、いはしないんだから]
なにやってんだろうなぁ。
[誰に強制されたわけでもないけれど、女子高生らしい夏のイベントも、全部返上して打ち込んできたつもり。
マネージャとしてやり抜く決意を入部の時にかっちり固め>>0:83、そこに、やりがいを感じてきたつもり。
なのに今は――――グラウンドの中で直接戦えないことに対し、強い後悔を抱き始めている。
ボールは少しほつれていた。直して、後で一緒に返しておこう。
そう思って、ジャージのポケットに突っ込んでから、クーラーボックスを持ち上げた。
談話室に入ったなら、「差し入れ」と一言添えて、この箱を冷蔵庫の脇にでも置いておこう。
ひとけのないグランドから、とぼりとぼりと、帰途につく**]
(119) 2011/08/27(Sat) 19時半頃