[滲んだ険は再びさらりと霧散する。
苦笑混じりの賛辞>>107には微笑んで。]
――当然ですから。
[賛辞。望んだもののはずだったのだけれど、それも今となってはどこか物足りない。
――相手と自分とは違う。
それは当然の事であって、疑う余地もない。社交辞令であれ何であれ、自虐めいた響きだって、とうに聞き慣れたもの。]
ネルさんのお手を煩わせることにならなかったのなら、何よりです。
――何かあれば、いつでも。
[髪に、服に、染み付いた燻る煙の匂い。
たとえ悟られたとて、構いはしなかっただろう。
自ら望んで傷を付けた優等生のレッテルを、それでもそんな綻びには気付かず、気付こうともせず。
見逃し続けて持ち上げたのは、自分ではない。
だから、誰が相手だとしても、言及されないのならば、同じこと。
変わらぬ笑みを絶やさぬ相手を前にして、浮かんで消えた一縷の感情は、――諦観か、虚しさか。**]
(119) 2015/08/23(Sun) 17時半頃