[久しぶり、と彼女は言った。>>116
つまり如何やら、既知らしい。今も昔も諸々あって、記憶の引き出しが硬くなったり抜けたりした身だ。姿かたちも睨む目も、その理由もさっぱり思い出せなかった。]
………。んん。
ええ〜…と…、こんにちは? 子羊。
あ〜……すまない、物忘れだ。
何、待ちなさい。まだ慌てる時間じゃない。
努力はするから。
[そういえば「エンジェルさん」の噂に、人に見えぬはずの自分が含まれているとも昨日友に告げられたのを思い出す。もしかしたら目の前のこの子がその噂を増やした子なのかもしれない。
ここ暫く、会った人間など大抵がその仕事絡みだ。何せ目の前の子は、年若そうに見えるのだし。…ここの生徒よりは多少大人のようだが、まあ些細な違い位に見える。]
え〜…こっちの方で呼んだ子だったかな?
それとも古風な紙の方だった?
[スマホを取り出して相手に見えるように振った。まるで気の多い男のような発言になっていた。]
(118) 2020/01/15(Wed) 18時半頃