─自室・三階─[夜も更けた頃合い。ランプを消した室内は、北向きの窓から僅かに射し込む街と月の明り。そして、揺れる蝋燭の炎に照らされていた。黒布を敷いた床の上には、散らばる土塊と黒い羽。既に息絶えた雄鶏の骸からは、もう流れる血も無い。男は、短剣を手に、其処に立ち尽くしていた。 ──何故だ?静かに、自問するも応えは直ぐには出ない。その夜、男が施した降霊式は、失敗に終わっていた。 ──何故──、何も応えない? 既に多くの人間が死に死霊で溢れるはずの街で。何故。] ……まさか。本当に誰かに取り憑いてやがんのか……?[呟き。だが、失敗に終わった以上、男に確かに解る事は何も無い。]*
(118) 2015/08/25(Tue) 00時半頃
sol・la
ななころび
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