[蹲る背に、びしょ濡れのまま声を掛けた。
呆れてしまうだろうか。怒りを見せるだろうか。]
…… 離せと言ったのは どうしてか、と?
核爆発でも、水中ならばやり過ごせると知っていたからです。
説明する時間は、ありませんでしたし。
問答無用に "沈みます"ので、
こうしたほうが、生存できると思いました。
沈みますけど、泳げないわけではありませんから。
破天荒でめちゃくちゃでも、こうしてお互い生き残れたのなら。
[嫌われても、面の皮は厚い。
無茶を制するサーヴァントは、隣にはいない。
死を仕方ないものと割り切れるから、生存方法を見つけられる。
冥界の河が幻に引いていく──。他者の死をこそ厭うノッカの精神性は、死にたがりの生者にも見えるだろうか。その癖に、生きることには貪欲で。まだ、成していない、と義足に立つ。]
(117) 2019/02/20(Wed) 03時半頃