[吸血鬼の体が銀という異物を拒否している。腹に感じた痛みが時間もかけずに全身に広がっていく。攻芸は喘ぐように口をぱくぱくさせて床で殆ど動けずにいた。体が自分のものではないようで、暴れることも出来ない。けれどじっとしていられる痛みでもない。
全身からいやな汗が噴き出している。
痛みに体を縮めたくて、膝だけたてる。
次第に体が痙攣してきて、痛みに思考を奪われていると、徐々に体が鉛のように重たくなってきていた。
耳鳴りすらぐにゃぐにゃと歪んで、心臓がめちゃくちゃに暴れまわっている。激痛に意識が吹っ飛ぶことに期待するも、今際の際まで吸血鬼殺しであるための精神力が悪く働いているのだろう。額に脂汗をかきながらも、攻芸は中々気絶さえさせてもらえなかった。]
(115) gekonra 2019/05/12(Sun) 04時半頃