──昨夜・自室──
[ナイトウェアに着替え、寝る仕度をしていた少年。ふと視線が、部屋内に設置されているターミナルに向く。
ターミナルとは、円形のディスプレイを持ったパソコンのようなものだ。自分の腕輪を挿入すれば、どのターミナルからでもほぼ同じように使える仕組みであるらしい。
少年はその前に立つと、腕ごと腕輪を差し込んで認証させ、抜いて。キーボードで操作してローカルフォルダを開いた。
そこに保存されているのは、ガーディのごく個人的なデータだ。円形のディスプレイに映し出されるのは家族写真。父母らしき男女の間に、ゆるくカールした栗色の髪の少年と青年が笑顔で立っていた。]
……時間が経つほど記憶は曖昧になってしまいますからね……。
うん、やっぱり似てない。髪と背格好が似てるから……つい感傷的になってしまうだけです。……いや、それも止めないと……。
(114) 2014/01/25(Sat) 00時半頃