[ゆるゆると獲物を構えた手が下がった。 ゆらゆらと、アーマーに覆われた両耳が揺れた。 暫くして、頭上にあった其れ>>92は元の通りの静かな夕暮れ時へと戻ってゆく。 跳躍の音は微か、一脚で距離は詰まる。 イナリの元へと滑る様に近づけば、凝る切っ先の様な気配こそ無いが、獲物だけは、受けるような形でヤツデに向けている。] ……[イナリの身を抱え寄せるようにし、赤い目はじっと動かないが辺りを見つめているだろう。 それも、イナリの声か、構えるのが不要かが分かるような状況になれば、目を閉じ、イナリに顔を擦り寄せるようにしようと。*]
(113) 2022/08/14(Sun) 20時半頃