―邸内・窓辺>>104―君のその格好は何の趣向かね。――まるで煤の煙を潜ってきたようではないか。[視線は、靴と肌の境界の金属プレートに行き当たる。夕闇伯は切れ長の眼を細めた。――嗚呼、と呟くは胸の内。どうにも、全うなものではないらしい。僅かに唇の端を上げる。そういうものを、夕闇伯は知っていた。警察らに追われるような裏の家業を嗜みながら決して尻尾をつかませぬ者であればこそ、だ]――佳い宴を、……あぁそうだ、名前を聞いても?[質問に答えがあろうと無かろうと、興味深げな眼の色は変わらなかった。]
(112) 2012/09/23(Sun) 10時半頃