パンドーラ……パンドラ?
[それ開けちゃダメなやつじゃん。と“俺”。
マガツヒを人間の手元に置いておくわけにはいかない。
だから、開いた手を音匣に伸ばす。
このような小細工、造作もない。
マガタマは見えているのだから、わざわざ触れる必要すら感じない。
伸ばした手を握りしめる。開けずして闇を盗みとれば、“ἐλπίς”は残るだろう。
それくらいは人間の手元に残しても良いと思う。]
アア………タベタイ。
[湧き上がる衝動を乗せた無機質な呟き。しかし生憎、“俺”の腹は“今のところ”は、アイスのためだけにあると思っている。
既に手に入れた3つと合わせて、随分増えた。寄り道も良い加減にして、ボスステージに向かうとしよう。
扉を出て再度振り返れば、その工房の表札あるいは看板が見えただろうか。もしかしたら掛けられていないかもしれないし、破壊されているかもしれない。
言うことは変わらないんだけどね。]
お邪魔しました。*
(111) 2016/06/25(Sat) 09時半頃