― 食堂 ―
[食堂に来ることは誘われない限りはほとんどなかった。
あれだけ授業中眠っていても食べたら眠くなり、元の教室にいちいち戻るのも面倒だからだ。
やや緊張しつつ扉を開き、厨房の奥にいた飽戸に声を掛ける。]
鳴人、鞄持って来ておいてやったぞ!
……勝手にしてしまったが大丈夫だったか?
[良かれと思ってやったことだったが、小さな親切大きなお世話という言葉もある。怒られることも覚悟しつつ、飽戸の指示があれば言われた通りの場所に彼の鞄を置くなりしただろう。
一息吐くと漂ってくる美味しそうな匂いに、腹の虫こそ鳴かないものの空腹が刺激される。
豚汁をよそってもらい、どこに座ろうかと辺りを見渡すと見覚えのある先輩>>94を見つけた。見知らぬ誰か>>89と話している邪魔をすべきではないかどうかとで迷い、結局ただじっとその背中を見つめるだけに留めていた。]
(109) 2014/10/03(Fri) 00時頃