>>98>>99[気に入った紅茶があるので、買いにきたというニコラに、とりあえずはよくきたなと。 なんだかんだで昔の友に会うことはいいものだと思う。 日光の下、動きはよくない彼が袖を掴めば、そのまま支えて、 紅茶屋の露天、目指す途中に魔女の話が出る。] あの魔女に会うのか? あれは、ちょっと厄介だぞ。[本気でそう助言をしつつ、遊び回る子どもの群れ、 立ち止まり、しばし見つめるのは、あきらかに獣の眼でもあったが、 ふと、漏らしたニコラの言葉にゆるく首を傾けた。] そうだな。[彼も血を欲することもあるだろう。 しかし、興味は紅茶缶に向けられ、様々なラベルに書かれた香料とその艶やかな名前に微笑んでいる。 手袋のままとるその缶の一つ一つ。]
(109) 2014/10/19(Sun) 20時頃