―― 朧邸 ――[こんなにも早くまたここを訪れる機会が来るとは思いもしなかった。門前に立ち深呼吸をひとつして中に声をかけようとすると、思いがけず目的の人物が出てくる。今日は先日までの挙動不審っぷりは発揮せず、静かに一礼して挨拶をして。共に行くか?と誘われれば、勿論と頷き傍らに立つだろう。歩きながらその横顔を盗み見れば、心なしかその眼差しは寂しげな色を孕んでいた]
(108) 2013/08/14(Wed) 17時半頃