-配達屋たちの家-
[帰路に付くのはもう少し先になりそうだ。
顔馴染みの配達員とは言え、最後に尋ねてから久しく通っていない。記憶通りにその家に辿り着けて良かった。
自分の嘘がどこまで時間稼ぎになるかは知らないが。まだ暫くは、執政官が此処を訪れる事はないだろうか。然し、それも時間の問題だろう。]
はぁ、あの馬鹿。
[>>3:83 無邪気に笑った栗色の双眸。彼は嬉しそうに呟いた、”彼女”と、息を弾ませて。その足はそのまま、星降りの夜へと向かったのだろうか。愛しい”彼女”を連れて。]
――――……バレねぇようにやれってんだ。
[家のチャイムを鳴らす。配達員の青年、或いはその妹は出ただろうか。若しかしたらもう危険を察して家を出たかもしれない。
不在ならば、それはそれで良い。憂いを帯びた目でその扉を見つめた。]
(107) 2014/12/08(Mon) 20時半頃