―ヴェスパタインからの知らせ―
[その通信>>80が届くと同時に、まどろみのヴェールがはがされた。
ゆっくりと薄眼を開けて、語られる内容>>59をかみ砕いていく。
驚くイアンの声>>91、いや、他にもその場にいた者の声を耳にしたかもしれないけれど。
狼は、彼のように驚くことはしなかった。
ただ、内容とともに、実感として受け入れる。
2つの意味で、私は信頼に足る存在ではなかったのだな、と。
1つは鼻に対する信頼。
しかたがない。実際人型魔物の臭いは、魔物としての力が放出されるまで、ヴェラには嗅ぎ取ることができない>>0:186。
もう1つは当然、魔物への嫌疑。
他の者と同様に、信頼に足らない自らの存在。
……まぁ、逆の立場なら、私もそうしただろうがな。
もっとも、もう少し早めに、伝えただろうと思いはする、が。
鼻先の布の臭いを思いっきり吸いこんでから、ぶーっ、と吐き出し、はためかせた]
(107) 2013/06/14(Fri) 19時半頃