ケイト。久し振り。
あの時は、ありがとう。
[席に着いてから、気持ちの切り替えがてらに、さっきまでいなかったもう1人の同窓生・委員長へと、声をかけた。
ほんの挨拶程度のやりとり。喧噪のなかでの軽い声掛けには、特記するようなことはなかったかもしれない。
礼は、以前うちの会社の雑誌に、彼女の記事>>62>>87を掲載させてもらった時のことについて。
当時自分が雑誌部門にいたかどうか>>26は、関係ない。だって、取材をしたのも記事を書いたのも、別の人間なのだから。
ケイトが講師をしていることだって、別の記者の企画案を見て、初めて知ったことだ。
だから、やったことはただ1つ。アポが入る直前に一言「連絡がきたら、よろしくね」と、電話を一本入れただけ。
……このことがケイトから記者に伝われば、使える人間として評価してもらえるかもしれない、と淡い期待を抱いたから。
機会を見て、ヨーランダとケイトとは、名刺の交換をしておこう。
テツとの対面で浮かんでしまった苦い思いを振り払うように、今生きている先を見据えて、そう思った。
――――それと。
いたよね、そんな人>>104、とも]
(107) 2011/08/26(Fri) 19時半頃