ぞう…り。――そう、靴を。
[なら草履の…"お兄さん"ぐらいが便利だろうか。そう呼ばれて、顔を顰める人はあまり多くない。と自論。
微笑まれれば>>103、一瞬、視線が泳ぐ。
軽く俯いて、マフラーの上端に唇を落としつつ、愛想も曖昧に小さく笑い返す。上手く笑えている自信は、ない。自分でも、目が強張ってると分かる位だから。]
[…相手の恰好を眺めていれば、突如吹き出され――数拍遅れて、気づかれた事を悟った。思わず、マフラーへ揺れる溜息と頬を、じわりと埋める。…熱い。]
……珍し―― …いえ、すみません。
[口元に手をやりながら笑う整った仕草に、これは年上だろうと理屈抜きに判断を下した。少なくとも、高校生活を放棄中の、子供らしい自分よりは…、ずっと。
あまり気を悪くした様子に見えないのは、幸いか。
先よりも少しだけ自然に、淡く苦い笑みを返しつつ。ふと、その袖の内に視線が向く。]
それ…怪我、ですか? ――お兄さん。
[か細い以前の問題なのかもしれない。双つの鳶色が褪せた紺によって薄曇り、ゆるりと瞬く。]
(107) 2014/10/01(Wed) 17時半頃