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宛先:シメオン>>79
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Re:気にしないで
20xx年10月3日 xx:yy
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本屋の前に。恰好は黒のコートにマフラー。後、キャスケット
そっちが先に着いてない事に、寧ろ安心した。大丈夫
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[連なる言葉の明るさに胸を撫で下ろしつつ。近づいているであろう距離に想像が回れば、少しだけ眉根を引き攣らせた。
深く読み返す事も無く送信を押し、ポケットの内へとそれを落とす。
次に開く時は恐らく、彼と別れた時だろう、と。
すっかり固まりかけていた身体を軽く解しつつ、道の先で揺れ近付く人影を一つ一つ追っていれば。やがてそれらしき金髪の持ち主>>79に鳶色が瞬き、熱を帯びた。
――どこか宙に浮いたようなキャスケットのつばを僅かに持ち上げ、相手が気づいたようなら、軽く手を挙げて見せただろう。
そうして、一歩、二歩と互いの距離を重い足取りで縮めるのだったか。]
(106) 2014/10/07(Tue) 18時半頃