["獣人に会った"。
彼の発したその言葉>>77に、男はピク、と眉を持ち上げる。
あの獣達のコミュニティで話した獣達の中の誰かが、目の前の彼と会うたと、そう言う事なのだろうか。
――嗚呼、しかし少々、不躾な視線を投げてしまっていたらしい。零された苦笑>>76に気付くなり、男は見据える眼差しを僅かに緩めはしただろう。]
成る程、獣人に。
君が会ったと言うのなら…あの噂は本当だったと言う事かな。
あぁ、教えてくれて有難う。
もうひとつだけ聞きたいんだが…君は、獣人に会って、どう思った?何か、演技に使えそうだったかな。
しかし連絡先を、か…なかなか勇気のある青年だ。相手は獣人だぞ?
[苦笑を浮かべ、呆れたような、感心したような声でそう揶揄り。細められた目は、半ば無意識のものだったけれど。
カナリアと、狼。
カナリアの方には、心当たりがある。羽を切られ飛ぶ事も囀る事も叶わない、哀れな哀れなカナリアの事なら。
――だが、"狼"?
"なり損ないの犬"の話なら知っているが、狼の話は聞いた覚えが無い。
あの中の獣人達以外に、まだ獣人が、居ると言うのだろうか。]
(106) 2014/10/05(Sun) 17時頃