[紡がれた言葉。一瞬だけペラジーの表情に翳が落ちる。(>>101)
故郷に還してやりたい、の部分に御両親の顛末が窺い知れ。
近くの椅子に座った白いフード越し、鹿の背を撫でるように、武骨な手で頭に触れた。
見下ろせば、笑顔と、首元に鈍いアクセサリーの光。
名を問われ、瞬く。
普段、動物しか相手にしていないので、名乗るという行為を忘れていた。
名前。なんだっけ。大事に、いつもは奥底に仕舞ってある記憶を掘り起こす]
……ガストン
俺を呼んだ“誰か”の名前は、聞いていない
来れば分かるかと思って
[そうして、誰か来たという言葉に促され、扉へ視線を向ければ。
ごめんください、という、仕事人の風貌の、若い男の姿。(>>99)
しかし彼は入りざま後ろを向き、次いで──女主人、だろうか。(>>98)
いや、漏れ聞こえる会話(>>104)から、彼らはこの屋敷の者ではなく、招かれた人物のようだ]
(106) 2016/10/07(Fri) 23時半頃