[コトが大きくなってしまったことに、彼女はひたすら自身の行動を悔いた。
悔いて悔いて悔いて。最後には自分の殻にこもって外に出なくなった。
そのときにこもったのが、六極の泉《ラキ・ユニヴァー》だ。
自分の全てをかけて祈りをささげ―
(実際それがどう影響したのかは本人にもわからないけれど、)
氷血の日蝕《アイスブラッディー・イクリプス》が収まったとき、
世界の観測者《ホロウ・スコルプス》はその星命《イノチ》を燃やし尽くして、神のもとに召された。
それが、真実。
彼女が救った逸話は、当時の星詠みの使徒《スコルピオン》が言い始め、残っただけのこと。
氷血の日蝕《アイスブラッディー・イクリプス》が
予期していた災厄と比べて大きかったのか否かは今となってはわからない。
ただ記憶に残っているのは、後悔の念しかないからだ。]
(105) 2012/02/12(Sun) 00時頃