[白い素肌の蝶を穢していく。其れを見守りながら、体勢の変わる彼を、指は弄り続ける。声に、吐息に篭る熱を見詰めながら、己は置物が如く、薄く笑むばかり。――其の笑みに、歪に軋み音を立てる物が、微かに混じる。男を抱き、抱かれる事に嫌悪していた頃の自分を思い出すのは、霧雨よりも冷えた花主の指に触れた所為か。]
(105) 2014/09/20(Sat) 22時半頃