あぁ、そうだな。
私は剣なんて使った事も無ければ、そろそろいい歳だ。その上、"この傷"ときたもんだ。
だが――、
[剣を握り見据えた先には、苦虫を噛み潰したような顔>>67。
嗚呼、嗚呼。その顔が演技で無いのであれば、もしかしたらこの傷の代償としては"良いもの"だったのかもしれない、なんて。
浮かんだ僅かな期待を、決して過信はしないけれど。それでも、そう――]
――無いよりは、ずっとマシだろう?
[痛みは足を、そして脳を灼く。額に浮かんだ脂汗を拭う間すらないままに、"卵"へと繋げたその糸を引けば――嗚呼!どうやらその腕を絡め取る事に成功したようだ。
指へと伝わるその手応えに、細めた目を大きく見開き。いっそそのまま引き千切ってやれればと、強くその腕を引くけれど、相手もそう簡単には腕を捧げてはくれないらしい。]
(104) 2015/06/25(Thu) 01時半頃