― バレンタイン前日・ランドリールーム ―
[いつの間にか、ため息>>44が多くの理由を抱えていた。
口を滑らせたくなかったから酒をきっぱりやめたのに、詰めの甘い己はどこぞで何かを溢れさせてしまう。
自身の心はすべて朧なまま、形を見るのは自分だけでいいのに。無価値なものを晒す度に純度の高い嫌悪が募る。]
どうしたもんかなァ。
[不毛な忌避は隅へ払い、目下の議題を思考に広げた。
やや朦朧としていたとはいえ、記憶が飛ぶほどの状態ではなかった。所詮風邪だ。つまりは己がしでかしたことも、相手が誰だったかも、熱を排した脳にはしっかり残っているということだ。
ほとんどまともに話したことのない相手に、随分と迷惑をかけてしまった。1回目の洗濯物取り出し、2回戦に備え、残りを放る。
今度はただ立っているのが面倒になったという理由だけでしゃがみ込み、水の中で振り回される布を眺めた。]*
(104) 2021/02/16(Tue) 21時半頃