―兼正の屋敷への道―
[Dog-earに行った後、汗も引いたから、帰ろうとしていた。でも帰っても扇風機だし、そろそろ夕方、気温も冷え始めるだろう。だから、うろついてたら誰かと会わないかな。と思い、ちょっと兼正の屋敷に行ってみることにした。
さっき見た娘が兼正の人なら、既に屋敷には人の気配があるはずだから。ちょっとおしゃれだしね。あそこも。村の雰囲気に会ってないとおじいちゃんおばあちゃんは言うけど、逆に考えてみよう。こんな鬱蒼とした森に洋館…たしかにホラーっぽいけど雰囲気は出てない?
とおもってるけど、村の民家と比べると浮いてるのは事実。ずっと鎧戸がしまってたみたいだし、住人がいるなら中くらい覗けるんじゃないかと思ったのだ。]
ふんふふんふふーん♪ふふーん♪
[まだまだ真夏。だけど、田舎だからこそ、熱は樅の森林が吸ってくれて、夜は過ごしやすくなる。よく言う熱帯夜なんて無縁だ。ちょろっとそこまで散歩がてら、途中犬の散歩をするおばさんに挨拶をしたりして、兼正の方に行くの?と聞かれても、あの女の子を見たことは内緒にしていた。
だって話してみたいじゃん。
そんなこんなでぶらぶら、ぶらぶら散歩ちゅうです。]
(104) 2013/12/06(Fri) 00時半頃