―― 無事か…ッ
[名を呼ばれると>>96、半分程振り返るような仕種を見せた。
声に滲み出てもおかしくはない苦痛が鎧の下を駆け巡るが、それを並々ならぬ精神力で抑え押し隠した。
最も、滲み出てなくとも、”銀の乙女”であった彼女には予想出来た事なのだろうが。]
お前に傷の一つでもつけたなら、
グレッグにも怒鳴られる
[響くドラム<朝焼けの嵐>は魂<ロック>を乗せこの戦場<バトルフィールド>での士気<ユウキ>をも高めてくれる。そのパワーは生前とは比べ物にならず安心して聞ける響きを持っていた。
最初に二人の演奏を聞いた時には、全く理解が出来ないと思っていたが、まさかこんな感想を抱くようになっているとは運命とは不思議なものである。
黒の魔剣は静かに成りこそすれどじわりじわりと抵抗を続けていた。見た目に現れなければ周囲に心配させずにすむか、と思ったのは、マリーを思い出したからかもしれない。
人を蘇らせる軌跡を持っていたにも拘らず、どこか素朴で、人の心配ばかりをしていた癒し手――、聖女。]
(103) 2012/03/18(Sun) 00時頃