[其処にはもう何の恩恵も残されておらず、少女は戸惑うばかり。
しかしすぐに取りかかるのは、更なる"掃除"。
守護の為、張り巡らされた地脈を通じ、母なる大海へ働きかけ
街の西部を海没させんと試みた。]
―――…っ、は、ぁ、あああっ……!!
[主を喪い、休むこともなく行使される力はすり減る一方で。
絞り出すような無理矢理の行使に、全身が激しく軋む。
其れでも大波を引き寄せる手応えを得、口の端を上げた。]
よ、し…これで…
[直後、糸が切れたように崩れ落ちる身体、落ちる意識。
身を守る為、本能にまかせて影へ潜るように身を預けた。
少女は知ることはなかったけれど。
西に託されていた天の恩恵は、次の世界のためのカギ《インテルメッツォ・ネーヒスト・ワールド・クレイス》…正確には、創世の力《ジェネリカス》へ引き寄せられていた。
――つまり、青髪の海賊の元へ。]
(102) 2010/09/19(Sun) 18時半頃