[地元の人からの愛着が多少あるとしても、花見客でごった返すような名所とは程遠い。それでも公園を見渡せば、ぱっと見ただけでも花見客をぽつらぽつらと発見することが出来た。
西門の場所取りにも、それなりに意味はあったのだろう。
佐藤青年は口をあけて桜の木を見上げ、うむと頷いた。]
うう〜ん……。完璧。
公園内最強の位置取りなのでは?何て偉いんだ。
[佐藤青年は部屋からもってきた座布団を、場所取り係をこなした西門めがけてポイッと放った。西門が棒読みでワーイと座布団を受け取って尻に敷かずに抱っこする。
続けて青いビニールシートの上に、誰かが置いていった膝掛二枚を放り出した。残念ながら我が家にはこれ以上の在庫はない。去年寒かったから一応持ってきたが、この天気ならば、要らぬ世話だったで済みそうな気もする。]
(102) 2017/02/21(Tue) 14時半頃