[ふむ。と私は前足で顔を撫でる。
欲望と、理性の狭間で陥る苦しみ>>90は、きっとこいつの中にいるせいだろう、鈍感な私にも、痛々しいほど伝わってくる。
近親への愛情は、魂同士であれ>>-348、陰からこっそり見させてもらっていたが。
人と人との関係の数だけ、そのあり方は様々で>>85……そこに興味を持つくらいには、私ももう、頑なではなくなっている]
そうか。
[言葉で綴られる述懐>>91に、私は短く相槌をうつ。
すまないな、力になれなくて、と狼の尻尾を一振りする。
もっとも近しい場所にいる1匹にも関わらず、『盲目の茨姫』と呼ばれるようになった宿主に対し、聞き手にしかなれない自分を歯痒く思う。
魂だからとぬくぬく現状を貪ることに、いたたまれなさを感じてしまうのは。
死してなおも残る、群れへの思い故なのかもしれない]
(101) ginlime 2013/06/25(Tue) 23時頃