―自室―
…考えてても仕方ないわね。
[なんにせよ、このまま逃げ出そうとしても、先ほどの二の舞になる可能性は高い。
イリスは衣服の汚れが目立たないようにベッドに入りこむ。
あまりメイドのようなことをさせるために看護師を呼ぶのは気が引けたが、この際仕方なしとナースコールを押す。
程なくしてやってきた看護師に、着替えがほしい旨と、それともうひとつ、たのみごとをする]
あと…この病院に、グロリア・ローズって…そういう名前の人がいないかしら?
いたら、私が会いたがっていると伝えてもらえない?
…ちょっとした知り合いなの。
[よろしくね、と伝えて看護師を見送り、そのまま窓の外を見た]
まさか…戻ってくることになるなんてね…。
…話したら、わかってくれないかな…。
[恐らく無理だろうと思いながらも、グロリアと話すことに、僅かな望みを託した]
(101) 2011/03/16(Wed) 01時頃