[再び顔を見ることができた哲人に。
……ここに、という言葉に。
小さく、けれど確りと頷いた。
彼のその挙動を見て何かしら感付く余裕はこの時ほとんどなく。
そして言葉通りに、服を着たままシャワーを浴びた。
正直、重くて気分の良いものではなかったけれど……かといって今脱ぐ気もやはり起きなくて。
それに温まることもできたから、まあいいや、という気持ちでもあった。
それから、哲人が抱えてきていたタオルや毛布を幾らか借りて]
テツだって、救えない一歩手前まで、濡れてる。
……シャワーしなくて、いいの。
[冗談じみて言うことができる程度には落ち着いてきていたし、冗談っぽく言わないとまたあんな風に急に泣き出してしまいそうだ、とも思ってもいた。
その泣き顔のかたちまで、ある だれか の思い人にうりふたつかどうかは、知りようがないのだけれど。]
(100) 2011/05/18(Wed) 04時頃