[ああそういえば、昨日だったか一昨日だったか。治療の折に、腕に花の咲いた医師か…患者かに、症状について聞かれた気がする。あの人の手は花にすっぽり覆われてて、あんなにすっかり覆われた状態は初めて見て。…その時はつい、黙り込んでしまった。病に罹った人間の末路、その姿が『どうなるのか』。過去について、何とか点繋ぎを試みるの、は。意識を現実に戻せば、真っ白な皿の上には、5×5=25の柔らかく白い立方体が整然と並んでいる。そして指先には力を入れ過ぎたのか、ぺたんこになった乾いた白が一つ。やめよう、と呟いてそれを口に弾き入れ。冷めたマグの中のスープを一瞥して、水面に映った自分の口元に、一瞬呼吸を止めた。]
(100) 2014/09/04(Thu) 00時頃