[言葉を濁した彼には疑問符を。だけどそれを問いただすような真似はせず、ただただ付いて行くのでしょう。――彼の、心の内は、知ることのないままに。
幾つか見つかったのは瓶詰めの保存食。
これなら確かにしばらくは持ちそう――だけど。
そもそも今日帰るつもりでいたのよ、私。御者が気づいて誰かを呼んできてくれないかしら、なんて、心の中で願いながら。その願いが叶えられなかったことに気付くのはきっと。もう少し後のことなんでしょうけれど]
まあ、チョコレート。
ありがとう。
[これには少し頬が綻んだわ。こんな倉庫のチョコレート、おいしいかどうかなんてわからないけれど。それでも、少しでも嗜好品があったほうが、マシよ。]
そう、ね……とりあえず、
幾つかさっきのところに運んでみましょうか。
それとも、場所だけ教えればいいかしら?
[自分は幾つか、保存用に加工された魚や野菜の入った瓶を手に持って。]
(99) 2016/10/09(Sun) 00時頃