―回想 集会所入り口傍―
[声をかけると、男>>83がこちらを向いて自分の名を呼んだ。
それが、今では随分と馴染んでしまった、愛猫の名ではないことに目を瞬かせ。薄く浮かんだ笑みに、懐かしいものを覚えて顔を寄せる]
……ヒュー?
[数年という月日が経っていたとしても、至る所に傷を負い、包帯に血を滲ませていたとしても。彼がヒューであることは疑いなかったにも関わらず、その名前に僅か、信じがたいような響きが込められてしまったのは。
あの明るかった彼の面影が無いことが、受け入れがたくて]
放っておいて、って……
そんな……
[聞きたい事はあれど、ヒューのどこか人を避けるような雰囲気に掛ける言葉が思い浮かばなくなる。その場にずっと居るのも嫌がるだろうか、と考えて、後ろ髪を引かれる思いでその場を離れる]
……また、後で来るよ。
[去り際に一言。まだ彼がここにいるつもりなら、集会所を去る時に声をかけよう、寝床ぐらいなら用意が出来る、と思いながら]
(99) 2013/09/13(Fri) 00時頃