[立ち去ろうとする仮面に『じゃっくん、ばいばーい』なんて手を振る様子はまるでテーマパークの鼠さんとの交流を彷彿とさせる其れで。
散々お見送りをすれば『いい人だったね……』なんて能天気にフードを揺らした。
兄は“何も進展しなかった”と評したヒントには何か引っかかることがあるようで誤魔化すように間延びした声を漏らし。]
———…………あ、れ、
[トンネルを出て暫し足を進めた頃だっただろうか。
引かれる手の甲に浮かんでいた筈のタイマーが僅かな違和感と共に消え去れば小さく首を傾げて。]
……タイマー、消えちゃったね。
[ぽつりと呟いてみたが兄は気付いてくれただろうか。
どちらにせよ『誰かがミッションをクリアしてくれたみたいだね』と続けて。
これからどうすればいいのか、と見慣れない外の世界を挙動不審に見渡し。]
(98) 2015/03/07(Sat) 03時半頃